こんにちは。
今回から東北大学入試を
解説していきます。
北海道大学同様、
順番に見ていきたいと思います。
少しくどい説明もあろうかと思いますが、
化学習ったばかりだけど、
実際の入試でどんな問題が
出題されているか気になっている人
にも理解してもらえるよう書いています。
早速、第1問から見ていきましょう。
こちらも文章Ⅰ・Ⅱから構成されています。
目次
問1 純水の電気分解
こちらは北海道大学でも出題されました。純水のままではイオン量が少ないため、水酸化ナトリウムを溶かしておくことで電気を通しやすくしています。
問2 空欄補充
イオン交換膜法で生成する物質、その過程を問われています。ここで利用しているのは陽イオン交換膜であるため、陽極のナトリウムイオンNa+のみ膜を通過して陰極室に移動します。陽極では水の還元によって水酸化物イオンOH-が生成しているため、この二つを回収して水酸化ナトリウムNaOH水溶液が得られます。
問3 電極での半反応式
電気分解は外部から電力を得て、無理やり酸化還元を起こす操作になります。電子は電池の負極を出発し、接続した陰極に到達します。更に電子は陽極から放出され、電池の正極に戻っていきます。
このことから、陰極では電子を受け取る還元反応、陽極では電子を放出する酸化反応が起こります。今回の場合、陰極では水の還元反応、陽極では塩化物イオンCl-の酸化反応が起こります。
また、全体の反応はそれぞれの半反応式から電子を消去し、両辺にNa+を補うことで完成です。
問4 NaOHの生成量
電流の大きさ、流した時間からファラデーの電気分解の法則より回路を流れた電子の物質量〔mol〕を計算します。
あとは、問3での陰極の反応から、生成するOH-の物質量〔mol〕がNaOHの物質量〔mol〕になります。
問5 複数枚によるイオン交換膜法
Na+は陽イオン交換膜を通過します。そしてCl-は陰イオン交換膜を通過します。
そして電解槽の両側には電極があり、それぞれ正の電荷、負の電荷があるとすると(実際にはありません)、各電解槽のCl-とNa+がそれぞれ左と右に向かっていきます。ここで、通過できないイオン交換膜があると、その電解槽にとどまります。
結果、両イオンとも第2槽・4槽が薄くなり、第3槽が濃くなります。
【まとめ】
今回は第1問の前半を解説しました。
電気分解は頻出ですが、まさか「北海道大学と似たような問題が…」と思いましたが、これこそ化学の勉強がしやすいポイントです。割と似たような問題が出てくるということは、志望校に限らず様々な大学の過去問に触れることで、本試験で類題に当たる可能性があるということです。
まあ、他の科目でも言えることだとは思いますが、化学は特にその傾向が強いのではないでしょうか。