【東京大学】2024 化学 第1問 part1

こんにちは。

今回は、いよいよ

東京大学

の解説をしていきます。

大学のことを知らない人でも

聞いたことはある

最難関の国立大学です。

 

第1問から見ていきます。

 

目次

 

 

問ア シュウ酸のエチル化

 シュウ酸(COOH)2エタノールC2H5OHによるエステル反応を書きます。ジエステルになることに注意してください。 

 

 

問イ エステル化について

 エステル化は可逆反応であるため、十分な時間が経過すると平衡状態になります。つまり、反応物と生成物が共存している状態であるため、完全に反応を進行させることはできません。

 

 

問ウ 分解反応

 エステルに水酸化ナトリウムを過剰量加えると、エステルの加水分解けん化)が起こります。これによって、エタノールの他にシュウ酸ナトリウム、シュウ酸エチルのナトリウム塩が生成します。

 

 

問エ 精製法

 問題文の上に各液体の沸点が示されています。蒸留によって、シュウ酸ジエチルの精製が可能です。

 

 

問オ エステルの進行度

 エステル化ではエステルと同時に水が生成します。

  R-COOH + R'-OH ⇄ R-COO-R' + H2O

 この水の生成量からどれだけエステル化が進んでいるかを割り出すことができます。

 反応開始前、フラスコ内には少量の水が存在しています。シュウ酸二水和物(COOH)2・2H2Oエタノール(95.0%)に含まれる水の量を求めておきます。次に、ある時点での水の量は、水とエタノールの体積比が1:1であることから求めることができます。

 この差分がエステル化によって生成した水の量になります。これによって反応したカルボキシ基の割合を出せます。注意点は、シュウ酸はジカルボン酸であることです。

 生成した水の物質量〔mol〕=反応したカルボキシ基の物質量〔mol〕

であることを踏まえ、シュウ酸二水和物 42.0g中のカルボキシ基の物質量〔mol〕を求めることで、答えが出せます。

 

 

問カ 酸素原子の由来

 炭素-酸素単結合の酸素原子がエタノール由来であることを確認します。質量数18の酸素18Oであるヒドロキシ基をもつエタノールを使って実験を行えば、酢酸エチルの分子量が88ではなく90になっていることを確認できればOKです。

 

 

【まとめ】

 今回は、第1問前半を見てきました。エステル化の実験を経験したことがあれば難なく解けたかと思います。あまりエステル化の実験までやらないかもしれませんが、実験手順や注意点に関しては教科書や資料集に載っています。資料集は図とともに勉強ができる良質な参考書です。様々な実験が見れますし、最近のものはQRコードを読み込むことで動画も視聴できます。ぜひ、有効活用してください。