【大学入試:化学】2024 北海道大学 第2問 part2

こんにちは。

今回は北海道大学

第2問のpart2です。

 

前回に引き続き、無機化学からの

出題です。

 

目次

 

 

 

問1 正誤問題

 「誤っているものをすべて選び~」なので、全選択肢を吟味する必要があり、知識の正確性が問われています。

 

(ち)弱塩基の遊離です。

 

(つ)その通りの内容。

 

(て)硝酸で溶かすことができる金属は銀の他に、銅、水銀があります。硝酸の濃度によって発生する気体も変わるので注意してください。

 これらの金属は普通の酸(希塩酸や希硫酸)で溶かすことはできません。水素よりもこれらの金属のイオン化傾向が小さいからです。よって、酸化力の強い酸(熱濃硫酸、濃硝酸、希硝酸)で溶かすことが可能になります。

 

(と)濃硝酸で溶かすことができない金属は鉄Fe、ニッケルNi、アルミニウムAl、クロムCr、コバルトCoなどが挙げられます。これらは表面に酸化被膜を形成し、それ以上反応が進まなくなるため溶けません。このような状態を「不動態」といいます。

 

(な)リンには同素体として主に「赤リン」、「黄リン(白リン)」が挙げられます。それぞれ性質が異なるので、チェックしておきましょう。

 そもそも「同素体」とは、「同じ元素からなり、性質の異なる単体」を指します。よくある例として、「炭素C」、「硫黄S」、「酸素O」、そして「リンP」があります。それぞれ同素体の名前、性質を答えられるようにしておきましょう。

 

(に)電子式を書けば、誤りだと分かります。

 

 

問2 二酸化窒素の生成熱

 生成熱は化合物の構成元素の単体から化合物を生成する時に放出(吸収)される熱量を指します。今回の場合、二酸化窒素の生成熱をQ〔kJ/mol〕とすると以下のようになります。

   1 2 N2 + O2 = NO2 + Q kJ

 与えられた4つの熱化学方程式から、この熱化学方程式をつくることで生成熱を求めることができます。

 または、アンモニア、水(液)の生成熱からヘスの法則の応用を使って一酸化窒素の生成熱、二酸化窒素の生成熱の順に求めていきます。

 

 

問3 リンの生成反応式

 問題にある通り書いていけば大丈夫です。

 

 

問4 リン酸

 ①は酸化数を計算するだけです。「亜硝酸」の「亜」という接頭辞は酸素Oが一つ足りないことを指します。逆に、「過塩素酸」の「過」という接頭辞は酸素Oが一つ多いことを指します。

 

 ②はリン酸水溶液のpHを求めます。[H2PO4]が[HPO42-]の4倍になるので、第二電離定数からpHを出します。

  Ka =  [HPO42-][H] [H2PO4] =  1 4 [H]

  [H] = 4Ka = 4 × 6.0 × 10-8 mol/L

 pHを求めるときは、最後まで水素イオン濃度を求めず、掛け算の状態で常用対数に入れると計算が楽になることが多いです。根号を含む場合もlogの前に 1 2を入れるだけですね。

 

 

【まとめ】

 今回は無機化学の中でも非金属元素について触れてきました。元素は族や似た性質のものをまとめて覚えることができるため、自分なりにグループ化できるといいでしょう。また、理論分野と絡んで出題されることが多いです。計算問題もしばしばあるので、類題を通して身につけましょう。