こんにちは。
今回から北海道大学
第2問の解説になります。
第2問も問題文(Ⅰ・Ⅱ)から
構成されています。
今回は問題文Ⅰを見ていきましょう。
目次
問1 空欄補充
塩化ナトリウムの結晶に関する問題です。②、③に関しては塩化ナトリウム型の結晶格子を知らないと答えられない問題になっています。よく出てくるイオン結晶格子なので、覚えておきましょう。
④はイオン結晶の融点に関する問題です。物質の融点・沸点は主に分子間力や結合が強いと高くなります。イオン結晶の場合、静電気力(クーロン力)になります。静電気力は
(ⅰ) 価数
(ⅱ) 陽イオン・陰イオンの半径(イオン間の距離)
によってその大小が決まります。
この公式は物理を履修している人であれば、「電磁気学」で登場します。
また、価数の方が各イオンの半径よりも静電気力に影響を与えます。例えば、塩化ナトリウムよりも酸化カルシウムの方が圧倒的に融点は高くなります。
問2 アンモニアソーダ法に関わる物質
図に示されている物質を手掛かりに物質A~Fを決めていきます。
(ⅰ)炭酸ナトリウムの生成
塩化ナトリウム水溶液に(A)二酸化炭素、(B)アンモニアを加えることで(C)炭酸水素ナトリウムと(D)塩化アンモニウムが生成します。炭酸水素ナトリウムを熱分解することで炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水が生成します。
(A)二酸化炭素と(B)アンモニアは別ルートから入手します。
二酸化炭素は石灰石の主成分である炭酸カルシウムを熱分解することで(E)酸化カルシウムとともに得られます。酸化カルシウムは別名「生石灰」と言いますね。この酸化カルシウムを水と反応させることで(F)水酸化カルシウムが生成します。水酸化カルシウムは別名「消石灰」ということも頭に入れておきましょう。
炭酸水素ナトリウムの生成反応で出てくる塩化アンモニウムは弱塩基の塩であるため、水酸化カルシウムによってアンモニアを遊離させることができます。
出てくる物質は多いですが、反応の種類や回収することを押さえれば覚えることも難しくないと思います。
問3
炭酸水素ナトリウムは水に溶けにくい塩であるため、塩化アンモニウムと分離することが可能です。
問4 必要な炭酸ナトリウム〔kg〕
問2から化学式とともに、各反応の反応式を書きだし、全体の反応をまとめると、以下のようになります。
2NaCl + CaCO3 → Na2CO3 + CaCl2
よって、石灰石に含まれる炭酸カルシウムの質量から炭酸カルシウムの物質量を算出し、得られる炭酸ナトリウムの質量を求めます。
【まとめ】
今回は、主に無機化学の分野でした。無機化学は結局は暗記だと思います。ただ、その暗記の仕方を工夫することで知識のストックを増やすことができます。
今回で言えば、反応式の種類を知っておくと、アンモニアソーダ法の反応を覚えることができます。これについては、また後日、記事にしたいと思います。