こんにちは。
今回は第1問の最終パートになります。
今回の内容は前回に引き続き
化学平衡になります。
特に、平衡定数と平衡移動操作についてです。
目次
(4)平衡定数
①では圧平衡定数を求めます。それぞれの気体の圧力が与えられているので、そのまま使います。化学反応式での係数に注意しましょう。
②は圧平衡定数Kpと濃度平衡定数Kcの関係を求めていきます。状態方程式PV=nRTから圧力Pをモル濃度と気体定数、絶対温度の積で表すことができます。あとはモル濃度を組み合わせることでKcを使ってKpを表すことができます。
③は平衡定数の問題でよくあるパターンです。アンモニアの生成量をxmolとして窒素、水素の物質量をxを使って表します。容器内のアンモニアのモル分率からxが求められるので、残りの窒素の物質量、濃度平衡定数も求めていきます。
(5)平衡移動
アンモニアの生成量が多くなるような操作を選びます。ここで大事なのは、アンモニアの生成によって全体の物質量が減少していることです。これらを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。
選択肢(の)
温度、全圧を一定にしてアルゴンを加えます。アルゴンは反応に関係のない気体です。容器内の圧力は一定ですから、各物質の分圧は減少します。よってルシャトリエの原理より、全体の物質量が増加する向きに平衡が移動します。
選択肢(は)
温度、体積を一定にしてアルゴンを加えます。体積が一定であれば、各物質のモル濃度は変化しません。また、温度も一定なので、平衡定数も変化しません。よって、この操作では平衡そのものが移動しません。
選択肢(ひ)
温度、体積を一定にして窒素を加えます。窒素を加えることでルシャトリエの原理より、窒素を減らす向きに平衡が移動します。
選択肢(ふ)
温度を一定にして容器の体積を小さくします。これによって全物質のモル濃度が増加するので、全体の物質量が減少する向きに平衡が移動します。または、ボイルの法則から容器内の圧力が増加するので、同様に全体の物質量が減少する向きに平衡が移動すると考えてもいいでしょう。
今回は関係ありませんが、アンモニアの生成は発熱反応です。温度を変化させて平衡を移動させる問題もあるのでチェックしておきましょう。
【まとめ】
第1問の解説は全てになります。多くの大学では、前半に理論化学がよく出題されます。計算問題や今回のような実験結果の予測やグラフを使った問題など経験値を積むことで処理速度が上がるものが多いです。いろんな問題を解くことで、こういった問題に慣れていきましょう。