【京都大学】2024 化学 第1問

こんにちは。

今回から京都大学入試問題を見ていきます。

東大と共に最難関国公立大学として名高い京大です。化学を理論的に考えたい方にはぴったりな問題が多く出題されます。ただ解くだけでなく、その奥深さまで感じてもらえるといいと思います。

 

 

目次

 

問1 空欄補充(Ⅰ・Ⅱ)

 正八面体、正四面体の一辺の長さがチタンTi原子半径の2倍(直径)ですね。あとは三角比などを使って求めていきます。ほぼ数学です。

 

 

問2 空欄補充(あ・い)

 六方最密構造の説明の際、よく正六角柱が登場します。注意すべき点は、六方最密構造の単位格子はその六角柱の3分の1であることです。この単位格子には原子が2つ分含まれているため、ここから正八面体と正四面体の隙間の数を求めていきましょう。

 

 

問3 中心間距離と水素原子の位置

(ⅰ)水素原子は図2(b)の(0.50、0.50)の位置にあります。周囲にあるチタン原子は同一平面上にある4つのチタン原子と真上にあるチタン原子(0.50、0.50、0.50)の2種類になります。それぞれの原子間距離を求めましょう。

 

(ⅱ)1つ目は(ⅰ)で指定された位置ですね。それ以外にどこにあるか。参考にすべきは、(ⅰ)で求めた原子間距離ですね。原子間距離が0.50になるのは図(b)の正方形の中心だけでなく、各辺の中点も同じように距離0.50をとることができます。説明を読むより、下の図で理解してもらった方がいいと思いますので、ぜひ参考にしてください。

 

(ⅲ)図2のままでは正四面体をイメージしづらいので、下の図のように付け加えてみます。

 

 

 結晶構造は書いても見づらいし、頭の中で考えるのも一苦労なので苦手な人も多いかと思います。数学のような幾何的思考力が必要ですが、繰り返し問題を解いて慣れていきましょう。

 

 

問4 容器内の水素分子の総物質量

 一つずつ情報を整理して、立式していきましょう。立式の基本は、分かっている数値と分からない数値を分けるところからスタートします。私はよく図を書いて判断していきます。

 

 今回の場合、温度が一定であるため、ボイルの法則を用いたり、状態方程式でも気体定数とともに消去することができます。

 

 

問5 パラジウム原子と水素原子の個数比

 問題では個数比を問われていますが、物質量比と同じですね。問4で導いた結果から求めていきます。水素原子の物質量であることに注意してください。

 

 

 

問6 水素の体積

 問5で水素分子の物質量が分かるので、状態方程式に当てはめて求めます。

 

 

【まとめ】

 今回は結晶構造・気体に関する問題でした。図を書いて考える癖をつけると、京大のような難解な問題でも、解くカギが見えやすくなると思います。もちろん解き方は人それぞれですが、考えをまとめる上では有効だと思いますので、ぜひ試してみてください。