【東北大学】2024 化学 第2問 part1

こんにちは。

今回から東北大学

第2問の解説になります。

 

第2問も問題文(Ⅰ・Ⅱ)から

構成されています。

 

今回は問題文Ⅰを見ていきます。

 

目次

 

 

 

問1 分子間力

 化学基礎・化学で習う分子間力は以下の3つです。覚えておきましょう。

■分子間力
 1 ファンデルワールス力  すべての分子間にはたらく
 2 静電気的な引力  極性分子間にはたらく
 3 水素結合  H原子がN、O、F原子と結合している分子間にはたらく

 

 水素結合は、水素原子Hが電気陰性度の大きい窒素N、酸素O、フッ素F原子と結合している分子間のみにはたらき、分子間力の中でも非常に強い力です。そのため、水素結合がはたらく分子結晶は同程度の分子量をもつ分子結晶よりも沸点・融点が高くなる傾向があります。

 例えば、エタノールC2H5OHジメチルエーテルCH3OCH3分子式はいずれもC2H6Oですが、常圧下での沸点はそれぞれ78℃、-23.6℃となり、エタノールの方が非常に高いことが分かります。

 

 

問2 水に関する正誤問題

 一つずつ吟味していきます。

(a)水分子は極性分子

(b)水の密度は、常圧下で4℃のときに最大になります。

(c)水の凝固点は、圧力が高くなると下がります。これは、水の状態図から読み取ることができます。なお、多くの物質は圧力を高くすると凝固点は上がる傾向にあるため、これは水特有の性質と言えます。

(d)常圧よりも低い圧力下では、水は100℃より低い温度で沸騰します。これも、水の状態図から読み取ることができます。

 逆に圧力の高いところでは沸点は高くなります。この性質を利用した製品が圧力鍋です。圧力鍋内は常圧の2倍程度まで圧力を上げることができ、このときの水の沸点は約120℃に達します。

(e)水は二酸化硫黄SO2と反応して、亜硫酸H2SO3を生成します。接触法では、二酸化硫黄を更に酸化させることで三酸化硫黄SO3を生成し、水と反応させるなどして硫酸を製造しています。

 

 

問3 水との反応

 各物質と水との反応を化学反応式で表していきます。

(1)アルカリ金属アルカリ土類金属は水と反応すると水酸化物を生成すると同時に水素を発生します。金属はイオン化するため、酸化しています。よって水が酸化剤としてはたらいています。

 

(2)二酸化窒素NO2と水との反応はオストワルト法で登場します。最終段階の硝酸HNO3を生成すると同時に一酸化窒素NOも生成します。

 

(3)塩素Cl2と水と反応すると、次亜塩素酸HClOを生成します。

 

 

問4 気体の乾燥剤

 二酸化炭素CO2は酸性の気体であり、塩基性の乾燥剤は反応してしまうため使用することはできません。

 

 

問5 ヨウ素の結晶格子

(1)直方体ではあるものの、ヨウ素分子は面心立方格子と同じ配置です。

(2)直方体内のヨウ素分子の総質量を直方体の体積で割ります。長さの単位が〔nm〕であることに注意してください。

 

 

【まとめ】

 今回は化学基礎・化学の中でもあまり深く勉強しない内容かと思います。「物質の状態」は無機・有機・高分子にも通ずるところがあり、まさに「化学基礎」といったところでしょうか。ただ暗記するだけでなく、なぜそうなるのか理由をつけて覚えるといいでしょう。