【大阪大学】2024 化学 第4問

こんにちは。

今回は大阪大学第4問を見ていきます。範囲は高分子、中でも合成高分子になります。出てくるものは基本的なものが多いので軽めな内容ですが、逆に言うと落としたくない難易度です。

 

目次

 

問1 化合物A~Eの構造式

 アセチレンの反応については、前回の名古屋大学でも登場しました。特に化合物B・Cのアセチレンに水を付加させる反応は基本中の基本ですので、不安定なビニルアルコール、そこから得られる安定なアセトアルデヒド、それぞれ言えるようにしましょう。

 この変化はポリビニルアルコールをつくるときに出てくるポイントになります。ビニルアルコールを重合させることは難しいため、一度酢酸ビニルを合成してから重合させ、ポリ酢酸ビニルとします。その後、けん化することでポリビニルアルコールが得られるわけですね。覚えておきましょう。

 最後の化合物Eは難しいと思います。ここまで覚えている人は資料集を読みかじっている人ですね。ボロボロになるまでかじってください。銀アセチリドAg2C2という白色固体は加熱や摩擦といった少しの衝撃で爆発を起こす化合物になります。

 

 

問2 下線部①の反応

 炭化カルシウム、別名カーバイドCaC2は水と反応してアセチレンを生成します。炭化カルシウムの物質量さえ分かれば、生成したアセチレンの体積を求めることができると思います。

 

 

問3 プロピンの3分子重合

 アセチレン3分子からベンゼンを合成するときと同様、プロピンの二重結合の部分でベンゼン環を合成します。すると、ベンゼン環上に1つおきにメチル基が置換したものと、2つのメチル基が隣どうしになったものと2通りできあがります。

 

 

問4 空欄補充

 ポリアセチレンにヨウ素を添加すると電気伝導性がでてきます。このような導電性高分子を発見した白川英樹博士は2000年にノーベル化学賞を受賞されました。導電性高分子現代社会には必要不可欠な工業製品ですね。タッチパネルなどに利用されています。

 

 

【まとめ:総評】

 今回で大阪大学の解説は以上になります。前半の理論化学は計算量もあり、大変だったかと思います。後半の有機・高分子分野は誘導に従うことができれば比較的解きやすいものでした。たくさんの問題を演習する中で、誘導に従う場面は出てくると思います。どんどん解いて慣れていきましょう。