【名古屋大学】2024 化学 第1問

こんにちは。

今回から名古屋大学の入試問題を解説していきます。東海地区の旧帝大として名古屋市千種区に東山キャンパスを構えており、2001年には野依良治博士、2008年には下村脩博士がノーベル化学賞を受賞しています。

 

早速、第1問から見ていきましょう。

 

目次

 

問1 空欄補充

 状態図に使われる曲線、点、領域の名称が問われています。また、硫黄の同素体についても名称を覚えましょう。斜方硫黄と単斜硫黄がS8と表されることも知っておいて損はありません。

 

 

問2 点AとBの温度

 水の融点、沸点を考えれば答えは一つです。

 

 

問3 圧力による凝固点の変化

 水の状態図における融解曲線は右肩下がりの曲線をしています。つまり、圧力を下げると凝固点が低くなることを意味しています。

 

 

問4 硫黄分子について

① 密度と単位格子の体積から、単位格子中の硫黄分子S8の総質量が分かります(体積の単位に注意)。硫黄分子の分子量(32×8)とアボガドロ定数から単位格子中の硫黄分子数を求めていきましょう。

 

② いつも通りの凝固点降下の求め方で溶かした硫黄分子の質量を求めていきます。

 

凝固点降下(沸点上昇)

 非電解質が溶けている溶液について、質量モル濃度m〔mol/kg〕、モル凝固点降下Kf〔K・kg/mol〕であるとき、凝固点降下度⊿t〔K〕は次のように表すことができる。

  ⊿tKfm

なお、沸点上昇についてはKfをモル沸点上昇Kbに替えるだけである。

 溶質が電解質である場合、電離して生じたイオンの分だけ質量モル濃度が大きくなる。例えば、塩化ナトリウムNaClでは電離によってナトリウムイオンと塩化物イオンが生成するため、⊿tを求める際に使う質量モル濃度は元の2倍になる。

 

 

問5 下線部に対応する点

 下線部の条件にあう点を選びます。

 

 

問6 正誤問題

 一つずつ文章の操作の通りグラフで追っていきます。

 

 

【まとめ】

 今回は物質の状態がメインでした。特に難しい問題はなかったと思います。計算問題を丁寧に仕上げましょう。グラフを使って物質の状態を追っていく練習になるかと思います。