【九州大学】2024 化学 第4問
こんにちは。
前回に引き続き、九州大学見ていきます。
今回は有機化合物からになります。先に言っておくと、大学で学ぶ内容が含まれおり、受験生にとって正直困惑してしまうものです。だいたいこういう問題は大半の受験生も分からないですから、長いこと考えずにさっと通り過ぎることをお勧めします。やはり、解けそうな問題から手を付けるに限ります。
問1 アルケンの一般式
こういう問題は悩まずに済ませましょう。
問2 幾何異性体をもつ化合物A
問題文の通り、炭素数4のアルケンの構造異性体は3つあります。そのうち、2-ブテンは幾何異性体を持ちます。有機化合物の命名法については後日記事にしたいと思います。
問3 化合物D
先ほどの炭素数4のアルケン構造異性体のうち(Aを除く)、塩化水素の付加反応によって鏡像異性体が生成するものは1-ブテンです(これが化合物B)。鏡像異性体の方が主生成物になるのは、マルコフニコフ則で説明されます。
問4 正誤問題
この選択肢には一部、大学で学ぶ内容が含まれています。が、「これが正解!」というものを2つ見つければ答えられなくはないです(解答をみるまで不安ですが)。
(1)
付加反応での選択則はマルコフニコフ則によるものです。逆に脱離反応によってアルケンが生成するときの選択則をザイチェフ則といいます。この2つの法則は教科書や資料集のコラムなどに載っていることがあります。
(2)
炭素二重結合はσ(シグマ)結合とπ(パイ)結合の2種類の結合があります。ざっくりいうと、σ結合の方が強い結合で主軸となる結合です。一方、π結合は補助みたいな結合で付加反応のときにはこの結合が切れて、新たな結合を作ります。
(3)
付加反応によって水素が結合しない方の炭素は陽イオンになります。
(4)
残りの化合物C(2-メチル-1-プロペン)は化合物Bと炭素骨格が違うので付加反応によってCから化合物Eが生じることはありません。
(5)
炭素-炭素結合は単結合>二重結合>三重結合の順に短くなります。ちなみに、ベンゼン環の炭素-炭素結合は単結合と二重結合の間ほどの長さになります。
(6)
核磁気共鳴法(NMR)は環境の異なる原子を識別して構造を推定する方法になります。つまり、構造異性体であればNMRの結果は異なります。
(7)
鏡像異性体ができるような化学反応では2つの異性体は同じ割合で生成します。このような混合物をラセミ体と言います。
問5 化合物F
シクロヘキセンに臭素を付加させると、2つの不斉炭素原子をもつ化合物が生成します。一般に、不斉炭素原子を1つもつ化合物には鏡像異性体が存在します。
一方、不斉炭素原子が2つになると、鏡像体も同一の化合物になり異性体とならない化合物になることがあります。これをメソ体といいます。メソ体となる化合物の特徴は、化合物自身に鏡像面をもつことです。下記の通り、左のような化合物には鏡像面があり、鏡像体が元の化合物と同一のものであることが分かります。

良く出される例としてフェーリング液の材料としておなじみの酒石酸が挙げられます。
問6 化合物G
メソ体という言葉は教科書で習うものではないため、答えられなかった人も多いかと思います。資料集のコラムやハイレベルの問題集では扱われることもあります。旧帝大クラスを目指している人は覚えておいてもいいと思います。
問7 化合物H(分子式)
基本的な元素分析になります。
問8 化合物H(構造式)
幾何異性体が存在しないため、すぐに思いつくフマル酸やマレイン酸ではないものになります。
まとめ
高校範囲外の内容に関しては思いつめず、できるところから推測して答えるしかありません。それよりも、他に解けそうなところがないか探して解答する方がいいと思います。受験は満点を取る必要はなく、合格最低点を取れれば受かるのですから、解けるところからどんどん解いていきましょう。